●1998年12月29日 WBC世界バンタム級タイトル・マッチ
 辰吉丈一郎VSウィラポ・ナコンルアンプロモーション(タイ) TV観戦記
                     
 
【1R】
 両者ジャブを突き出すが両者ともにヒットしない、0分56頃、辰吉選手、上体をやわらかく
動かしウィラポン選手のパンチを空振りさせる。
 (個人的には、この動きが12Rまで続けば辰吉選手はもっと安定した、すばらしいボクサー
になると思うのだが、だいたい4Rあたりから、この動きが影を潜めディフェンスが甘くなる)
 1分30頃になると両者のジャブがヒットする。しかし、相打ちが目立つ。


 採点は難しいラウンドですね、私は辰吉選手の攻勢がやや有利と見て辰吉選手のラウンドに
したのですが・・・・。

【2R】
 辰吉選手、前進してパンチを振るう。ウィラポン選手は下がりながら防戦的にパンチをだす。
0分28頃、辰吉選手の左ボディ・ブローがヒットする。辰吉選手、上体をやわらかく動かしウィラ
ポン選手のパンチを空振りさせる。
 ここまでは完全に辰吉選手のペース。
 しかし2分00頃からウィポラン選手のパンチがヒットしはじめる、辰吉選手のスピードが一瞬ダ
ウンするが・・・・
 ラウンド終盤、ウィラポン選手が左ストレートをヒットさせるが第2R終了のゴングが鳴る。


 このラウンドは辰吉選手の攻勢点で辰吉選手ラウンドでしょう。このペースで戦えば辰吉選手
の勝利かな・・・・と思っていたのですが。

【3R】
 序盤は両者、積極的にパンチを出す。1分30頃からウィラポン選手のパンチのヒットが目立つ。
 1分46ウィラポン選手の右フックが辰吉選手の顔面を捕らえる。
 このラウンドを見るとウィラポン選手、辰吉選手の動きを読めるようになったようですね。
 辰吉選手の左をブロックあるいは上体を振り空振りさせるウィラポン選手の動きが目立った。

 このラウンドはウィラポン選手のパンチの精度で勝っていました、ウィラポン選手のラウンド
ですね。
 ちょっと辰吉選手の動きが読まれている・・・・ようですね。2Rまでとは一転して辰吉選手、
苦戦の予感・・・・。

【4R】
 3R同様に序盤は両者、積極的にパンチを出す。しかし、ウィラポン選手のパンチの精度が冴
え、パンチをヒットさせる。
 一方、辰吉選手のパンチは空を切る,あるいはブロックされ当たらない。辰吉選手の手数が、
かなり減ってきていることも気になる。
 辰吉選手2分16から2分22にかけて間合いをとりウィラポン選手が攻勢にでるのをはぐらかす。
その直後の辰吉選手ジャブをヒットさせる。辰吉選手の成長を感じさせるシーンですね。


 このラウンドはウィラポン選手のパンチの精度・手数で勝っていました。ウィラポン選手のラ
ウンドと判断しました。
 
【5R】
 序盤、辰吉選手、右ボディ・ブローをヒットさせるが・・・・。ウィラポン選手のパンチ,ディフェンス
の精度がますます冴える。
 1分22ウィラポン選手、右ストレートをヒットさせる。
 1分38頃、辰吉選手こまかく・しつこい左ジャブでペースをつかもうとするが・・・いつのまにかウィ
ラポン選手のペースになっている。このあと単発であるがウィラポン選手は左右のパンチを的確に
ヒットさせる。
 2分30をすぎると辰吉選手のスピードがダウンしている・・・・

 昨年のシリモンコン戦では中盤スピードがダウンしながら、挽回してKO勝利と世界のベルトを勝
ち獲った!まだまだ挽回できる!とTVを見ながら私は思った。


 このラウンドもウィラポン選手。パンチの精度・ディフェンスの精度が冴えてました。

【6R】
 オープニングは辰吉選手のジャブがヒットして、辰吉選手まだまだ、大丈夫と思ったが・・・・
ウィラポン選手の精度を増したパンチでぺースを握られてしまう。
 ウィラポン選手は左で辰吉選手の出鼻,出鼻をたたく。2分11ウィラポン選手、右ストレートを
ヒットさせる。辰吉選手、足元がふらつく。ウィラポン選手ここでも冷静に左を突いて、辰吉選手の
バランスが崩れたタイミングを見て!
 2分20右ストレート,左フックで辰吉選手からダウンを奪う!辰吉選手はすぐに立ち上がる

 (・・・・目は死んでいない、セコンドを見る余裕もあった。辰吉!ウィポランは畳みかけてくる!
打ち合うな!クリンチで時間をかせげ!足を使って逃げろ!そして、つぎのインターバルでダウンの
ダメージを回復させろ!・・・私は心の中で叫んだ!・・・)

 さあ、試合再開!辰吉選手、左ストレートで応戦するがウィラポン選手すぐに左アッパーをヒットさ
せる。距離を詰めクリンチを狙う辰吉選手に、こまかいショートのパンチで突き放し、また連打を浴び
せる。(この間ウィラポン選手が放ったパンチは約20発)レフリーが、割って入った瞬間、右ストレート
を浴びた辰吉選手、背中から崩れ落ちた・・・・。


 正直、辰吉選手が「どうの,こうので」なくウィラポン選手が強かった、そして、うまかった。
 最初にダウンを奪ったときは、まさにお手本のように・左・左・左で相手を崩してワン・ツーを浴び
せる。しかもツーの左フックは急所を捕らえている!
 2度目のダウンを奪ったときもクリンチを許さずに連打を決めた!


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