●ベートーヴェン 交響曲 第9番 「合唱」
クラウス・テンシュテット指揮
マリアンネ・へガンダー(S)/アルフレーダ・ホジソン(A)
ロバート・ティアー(T)/グウィン・ハウエル(Bs)
ロンドン・フィルハーモニー管弦団&同合唱団
録音:1985年9月13日
BBC LEGENDS BBCL 4131-2 (輸入盤)
これは”どえらい演奏”であった。”熱い灼熱の演奏”であった。指揮者がテンシュテットだと”激烈な
デフォルメを施した演奏!”を想像するかも知れないが・・・・表現としては比較的オーソドックスともいえるの
だが(回りくどい言い方)、テンシュテットの表現意慾は強烈である。ロンドン・フィルをとことん追い込んで弾かせて
いる。それどころか、ついていけない部分も感じられる。
しかし”指揮者が突っ走ってもオケが前のめりになりがらも喰らいつく演奏”になっている。
第1楽章は速めのテンポ、と思ったらタイム表示は16分程度で驚いた。私は14分台の演奏に感じていたのであ
る。テンシュテットのオーラで実際より速めのテンポに感じていたのか?。表現はブラス・セッションが強めな他は
大きなデフォルメは感じられないが、まるでデフォルメを施したかのようなスリリングで熱くパワフルな演奏に感じる。
第2楽章は速めのテンポでオケが前のめりなる部分も感じられる。そんなミスがあっても表現されるエネルギーの
大きさ熱さは変わらず、さらに集中度が増してゆくほどである。中間部も速めのテンポでキリリと引き締まった緊張
感と懐かしい音色を表出させ、灼熱一辺倒の演奏でないとこを思い知らされる。
第3楽章は一転して非常に穏やかで崇高さなどを強調せず淡々と進められる。そして中間部を過ぎると音楽はう
ねりを伴なって印象的なファンファーレを導き出している。
第4楽章は第3楽章の静けさから、いきなり第4楽章へと突入する。速めのテンポで(第1楽章同様に実際より速
めに感じる)グイグイと進める表現で、一気呵成の勢いと巨大なエネルギーの放射に聴き手を巻き込む熱い演奏
になっている。
03/12/28
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