●ブラームス 交響曲 第1番
クルト・ザンデルリンク指揮/シュターツカペレ・ドレスデン
録音:1971年
RCA 74321 21285 2(輸入盤)
今,話題のKSDじゃなかった,SKDのはなし・・・・450年の歴史と伝統を持つ世界有数のオーケストラ,シュ
ターツカペレ・ドレスデン!
私はこのオケが大嫌いだった。
こんな物騒なことを書くと熱烈なファンから弓や鉄砲で撃たれるかもしれない!あるいは包丁で刺され血だる
ま?さらし首か??
私が大嫌いになったキッカケはクラシック音楽に興味を持ちはじめた頃だった。当時,私は家の近くにある図
書館でLPレコードを借りまくる日々をおくっていた。
そんな頃ベートーヴェンの序曲集(だったと思う)のLPを借りた。オケはウィーン・フィルとシュターツカペレ・ド
レスデン。
どの曲がウィーン・フィルか?ドレスデンか?忘れたが・・・・そのとき聴いたシュターツカペレ・ドレスデンの音
が・・・・とにかくひどい!金属が焼けたときのムカムカする臭いと形容したくなる響きで,しかも高音がキィーキ
ィー、低音がスカスカ,etc・・・・私はたちまち激しい拒絶反応を起こしてしまった。
以来、シュターツカペレ・ドレスデン=ひどいオケ=私の嫌いなオケ!この図式が頭にこびり付き。シュターツ
カペレ・ドレスデンの録音を一切聴かない日々が数年つづいた・・・・
その後クナッパーツブッシュ(以下、クナ様)大好き人間になった私はクナ様と共演するシュターツカペレ・ドレ
スデンのLPシューマンの交響曲第4番を聴き、あの体験に疑いを持ち始めた!
〜あれはオケがひどいのではなく、録音が粗悪!?あるいは私の勘違い!?だったのでは???〜
しかし、あの体験があまりにも強烈だったためか?なんとなくシュターツカペレ・ドレスデンを避ける日々がつ
づいた・・・・
そんな偏見がぶっ飛んだのはクルト・ザンデルリングの指揮するブラームスの交響曲第1番(RCA)のCDを
聴いてからであった。いや、瞬間からか!
冒頭のティンパニーからして違う!なんと深い響きであろうか!ティンパニーがこんなに豊かな表現力を発揮
するものなのか!すっかり聴き入ってしまった!この瞬間から長年の偏見はぶっ飛んだ!!!しっとりとした
味わい,ずっしりした聴きごたえ,明朗な響き,各楽器がそれぞれ強烈な個性を自己主張を発揮しながら,オー
ケストラとしての存在感が味わえる!
そして、もっとも驚いたのが第4楽章の序奏部!主部に移行するとき,ティー・ター・ター・ターと朗々と吹き鳴
らすホルンの響き!!!その響きは「美は人を沈黙させる」の格言とおり私はこれ以上語らない・・・・(っ〜かボ
キャ貧の私にはふさわしい表現が思いつかなかった)。
これが450年の歴史と伝統だよ!今までの偏見は何処へやら,手のひらを返したように、わけ知り人間に変
貌してしまった・・・・
さて,K.ザンデルリングの指揮ぶりは「暗から明へのドラマ」,「苦悩を突き抜け歓喜に至れ」,「ブラ1はバク
ハツだ!」みたいな演奏とは違う。力みを排して堂々と粛々と演奏している。それでいて几帳面な堅苦しさを感
じさせない,しなやかな演奏を楽しむことができる。きっと長野県知事も大喜びに違いない。
それにしても何故?あのとき?あれほど過剰な拒絶反応を起こしたのか?不思議である???
01/02/11
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