●ブルックナー 交響曲 第9番
朝比奈 隆/指揮
大阪PO
録音:1995年4月23日
Canyon Classics PCCL−00477
Photographer:Takashi Iijima
聴いた印象は”動的”といった表現がピッタリです。
第1楽章:冒頭から、ただならぬ雰囲気です。コクと奥行きのある厚い響きです。金管の咆哮、それに
答える弦楽器の旋律、音色、じつにすばらしい。私はこのような表現は苦手なのですが心がこもっている
と表現したくなります。
1:41フルートとオーボエが神秘的雰囲気を作りだすと、音楽は”動的”に変化します。
ピチカートに続いて歌謡的な第2主題が奏でられます。いいですね、私のような人間でも清らかな気持
ちになります。
第3主題への接続動機がオーボエからクラリネット、ホルンからフルートへと受け継がれます。じつに丁
寧に、丁寧に奏でられます。
展開部に突入し12:25から、曲想の変化に伴いテンポがゆれ動く。しかし激しく熱くなることはなく悠々
とした世界を描き出す。まさに”動的”世界!。熾烈、雄渾な楽想でもの感情むき出しの荒々しさは皆無で
つねにゆとりと威厳を感じさせます。
第2楽章:の冒頭は何か不思議な音楽ですよね。木管の冷たい響きの中でピチカ−トで上下する。この
演奏を聴くと不思議な世界に放り込まれたかのようです。
その後、地響きのような進軍。2:00空間を揺さぶるようなティンパニに響き。”極限のスケールだ!”と
気恥ずかしい言葉が出てきます。
トリオにおける4:52ヴァイオリンの旋律の語りかけ、5:14それに答えるようなヴァイオリンの旋律!過
不足ない感情移入とでいいましょうか。
そのあとの哀愁に満ちた旋律とバックの木管のリズム、絶妙のブレンドですね。
第3楽章:オケをいっぱいに鳴らした厚い響き、過不のない感情移入で聴き手に迫ります。
9:46から音楽は動的になります。次々に奏でられる旋律のひとつ、ひとつが、じつに魅惑的に感じられ
ます。
16:46以降になると緊張感が加わります。この演奏の圧巻は19:20以降でしょう。動的な表現と緊張
感が融合した極限の世界を堪能できます。
クライマックスを迎え紆余曲折を経て22:45終結部のテーマが奏でられます。
雷雲の中から太陽の光が射すような趣です。また、また、私はこのような表現は苦手なのですが心がこも
っていると表現したくなります。
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