●ドヴォルザーク 交響曲 第9番 「新世界より」
オットー・クレンペラー指揮
フィルハーモニア管弦楽団
録音:1963年5,6月
EMI CDM 7 63869 2 (輸入盤)
Front cover:Photo-Godfrey Macdomnic;Photographic treatment-Jason
Shenai
この演奏ドヴォルザークの望郷の念を無視,ボヘミアの土俗性まるでなく,血沸き、肉踊らない「新世界」
である。遅めのテンポをガンコに堅持してメロディーは野暮ったいほど歌わない。例えば第1楽章の第2主
題フルートで演奏される主題はドヴォルザークがアメリカ滞在中に触れた黒人霊歌によっているといわれて
いるノスタルジックなメロディーである(因みに私はビビデ,バビデ,ブーと親しんでいる)。多くの演奏は大な
り小なりテンポを落としノスタルジックにメロディーを歌う。
しかし、クレンペラーは遅めのテンポを堅持してメロディーをまったく歌わない。あくまでもひとつの主題とし
て扱っている。
また、「新世界より」はティンパニーが勇ましく活躍するが柔らかいバチを使い、弱めに叩くようで、くすんだ
音色を作り出している。さらに第4楽章はあえて勇ましさを否定するように演奏している。
結果として血沸き、肉踊らない「新世界より」になっている。しかし、ミス・マッチのおもしろさとでも言いましょ
うか。丹念に,丁寧に,築き上げられた演奏は「こんなアプローチがあったのか!こんなスタイルがあったの
か!」と驚き、感心する。
霊界に居られるアントニン氏にインタビューしたところ「いゃ〜オットーにやられたネ。私もこんなスタイル思
いつかなかったヨ。でも,すばらしい演奏だ。ノープロブレムにネ」と答えていた!
01/07/14
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