●マーラー 交響曲 大地の歌
 ラファエル・クーベリック指揮
 バイエルン放送交響楽団
 ジャネット・ベイカー(アルト)
 ヴァルデマール・クメント(テノール)
 1970年2月27日(ライヴ)
 audite 95.491(輸入盤)
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 この曲をはじめて聴いたときの衝撃,激動が蘇る録音でした。クーベリックの指揮振りはマーラーが赤
裸々に綴った激情の調べや切々とした寂寥感をストレートに表現して行くが音楽に没入して乱れることは
なく一歩引いた冷静さを感じさせる。しかもそれが常にプラスに働くのはさすがクーベリック!マーラー特
有の交錯した響きが単なる感情の激白でなく意味深く考え抜かれた響きであること実感させる。
 印象深いのは第1楽章の中間部オケだけの間奏におけるひんやりした光沢感は,はかなく危うい美しさ
を感じさせる。
 また,第4楽章「美について」でのリタルダントの巧みさはホントに時間が止まる様だし,中間部で繰り広
げられるテンポ操作や間の取り方は妙味である。
 そして第6楽章「告別」で切々と奏でられる諸行無常の調べの美しさ。最後に「Die liebe Erde....」(いとしい
大地は)と歌い出すと,霧が晴れるように色彩感が増し,「ewig」(永遠に)と繰り返され消えゆくように終わっ
て行く様子を鮮やかに描いている。私は声楽にはまったく疎いのですがジャネット・ベイカーの雑味のない
クリアーな歌声に惹かれました。

 録音の方はが良くヒスノイズを無理矢理に押さ込まなかったのがよい結果をもたらしたと思う。ライブを録
音なら大なり小なりキズがあるのが当たり前それを承知で我々を購入して入るのである。
やたらと弄くってノイズを削り音楽に込められたニュアンスまでを削りシンセサイザーのような響きに仕立て
たマスタリングに私は嫌悪感を覚えてきた!音楽に込められたニュアンスを大切にするマスタリングは大
歓迎である。


 02/05/10

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