●モーツァルトのピアノ・ソナタ集 より
 ・第8番 イ短調 K.310
 ・第10番 ハ長調 K.330
 ・第11番 イ長調 K.331「トルコ行進曲付」
  グレン・グールド(ピアノ)
 録音:1969年,1970年,1965&1970年
 SONYCLASSICAL SRCR 2068

1:第8番 イ短調 K.310

 第1楽章:冒頭・・・びっくり!猛烈なスピードの音楽が飛び出してきた!!そしてこの
猛烈なスピードと同時に強烈な緊迫感が襲ってくる!!!
 モーツァルトの音楽からこんな緊迫感が感じられる演奏は珍しいのではないか?
 そして第2楽章:でピアノがポロローンと響くと何かホットした気分になった、第1楽章
での緊迫感から解放されたからかな?
 中間部で暗く劇的に音楽が盛り上がるが、第1楽章の緊迫感に比べると可愛いものだ。
 第3楽章:曲目解説には「暗い情熱を帯びて進行」とあるが、私には、やや明るく、テン
ポが猛烈に速く次々に音が湧き出るのでコミカルなオモシロさを感じました。
 それにしても第1楽章の猛烈なスピードと強烈な緊迫感には驚きました。

2:第10番 ハ長調 K.330

 第1楽章:曲目解説には「真珠の粒がころがるような典雅で愛らしい」とあるがグールド
くん、猛烈なスピードでピアノを弾くので典雅さは微塵も感じられない、むしろ次々に音が
湧き出るのでコミカルなオモシロさを感じました。
 第2楽章:中間の暗い悲しげなメロディーを強調することなくタン・タンとサラサラ弾て行
く・・・・本来、私は「このような演奏」は嫌いなのですが、これが、これでオモシロイのです
なぁ。
 第3楽章:も速いテンポで、乾いたタッチで弾くグールドの演奏はコミカルな感じがして
オモシロイと思いました。
 むぅーん・・・・K.310と同じになってしまったな(^^;)。


3:第11番 イ長調 K.331 「トルコ行進曲付」

 第1楽章:おそーい、テンポで・1音・1音・ポツリ・ポツリ・と弾く。そのためか?
グールドくんの発する「んゥぅゥぅゥぅゥ」の唸り声がハッキリ聴きとれる。
 いゃー、グルードくん!しょっぱなから「イッちゃってる」!
 こういうのって聴いている、こっちがシラケルんだよなぁ。
 と思っていると、出てくる音は違う!?客観的に乾いたタッチで響いている!?
 後半部あたりからテンポが速くなるが、気分が昂揚して速くなる感じでなく、あくまでも
客観的!!!
 第2楽章:しょぱな大見得を切るように弾くが、また・ポツリ・ポツリ・と弾きはじめる。
第1楽章と同様にグールドくんの発する唸り声がハッキリ聴きとれるので、感情移入のイッ
ちゃった、雰囲気が伝わるのだが!?
 出てくる音はあくまでも客観的に乾いたタッチで響いている!?
 第3楽章:「トルコ行進曲」おそーい、テンポで・1音・1音・ポツリ・ポツリ・と弾く!
 私のイメージにある「トルコ行進曲」とは別世界!
 それでも、この演奏、ユーモラスな感じがして楽しむことができました。 

98/08/27


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