●モーツァルト 交響曲 第39,40,41番
 ギュター・ヴァント指揮/北ドイツ放送交響楽団
 録音:39番,41番 1990年5月6〜8日(ライブ)
     40番 1994年3月6〜8日(ライブ)
 RCA BVCC-37208



 先日4件ほどCDショップを巡りました。その内3件は宣伝用BGMにブルックナーの交響曲 第8番が流れ
ていました。新譜のヴァント/ベルリン・フィルのRCA盤です。ここ数年ほぼ年1枚ペースで発売されるベル
リン・フィルとのブルックナーは発売されるたびにその評判はうなぎ登りのようですね。
 そんな中ふっと興味がわいたのがヴァントのモーツァルトでした。RCAレッド・シール・ベスト100シリーズ
に39,40,41番の交響曲を収録した盤があるのでゲットしました。

 余談ですがベスト100シリーズは定期的に入れ替え(リニューアル)がされていますね。94年発売のRCA
ニュー・ベスト100ではモーツァルトの交響曲39,40,41番はパイヤール盤でしたが,どのよな基準や判
断でヴァント盤と入れ替えたのか?裏話を聞きたいものですね・・・・・まぁ最終的には売り上げ予測になると
思いますが・・・・

 さて本題のヴァントのモーツァルトですがヴァントの徹底した曲の研究。ヴァントとNDR響とが練りに練り
上げた仕事キッチリの成果が感じらる。こんなことはヴァントの演奏や評論を聞きかじった者にとっては当
たり前すぎるほど当たり前であるが,私がこの演奏に心惹かれるのは仕事キッチリの演奏でありながら理
詰めの堅苦しさを感じさせないことである。

 39番の冒頭では埋もれがちな対旋律やバス旋律が裏方,装飾といったレベルを超え,整合性,意味づ
け,関連性,重要性が説かれ、考え抜かれて提示されている。
 40番の超有名なメロディーではテンポ伸縮,音量の強弱と変化が与えられますが感情の発露的な変化
は感じさせずオケとともにじっくり練り上げられた成果を感じさる。もっとも驚いたのは第3楽章メヌエットで
まさに疾風怒濤の演奏です。この疾風怒濤のテンポが私のような素人でも必然的な表現に思えてしまうの
がスゴイところ。
 41番の第2楽章は音の強弱,メロディーの奏で方,テンポの伸縮,とヴァントの細やかな神経が行き届
いる。よくもまぁ、ここまで徹底的に自らの音楽感と叩き込んだな!と感心する。しかも、ここまで徹底しなが
ら小細工しているとか神経質な感じがなくよどみなく音楽が進行して行く。

 正直に申しまして聴く前は理詰めの堅苦しい演奏かな?と危惧していました,ヴァントさんごめんなさい!
私が愚かでした。


01/11/9


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