●モーツァルト 交響曲 第39,40,41番「フィガロの結婚」序曲
 オトマール・スィトナー指揮/ベルリン・シュターツカペレ
 録音:1978年10月25日(ライブ)
 TOKYO FM TFMC-0001
 

 TOKYO FM の放送音源が TOKYO FM アーカイヴズ・セレクションと銘打って発売された。その第1段
がオトマール・スウィトナー/ベルリン・シュターツカペレの来日公演盤である。CDの帯には保存音源に
チェリビダッケ/ロンドン交響楽団,斉藤秀雄/新日本フィルなどの音源があると記載されいる。
あくまでも音源が「ある」であって発売予定ではないのが味噌のようである。

 さて,栄えある第1段リリースとなったスウィトナー/ベルリン・シュターツカペレの来日公演盤の感想
であるが,39番は力みがなく,すっきりした感じで如何にも前座といった趣であった。
 40番は,その魅力であるけして深刻にならない,ほの暗い味わいの中に前半は穏やかな佇まいを後
半はキビキビした流れのよさを感じさせる深い味わいの演奏であった。
 41番は出だしは40番の尾を引くような,ほの暗い演奏に驚くが,第2楽章ではしっとりと歌い上げら
れた美しさがあり第3楽章から一気にボルテージが上がり第4楽章で生命感漲る大変な熱演が展開さ
れた。
 最後に納められた(アンコール?)「フィガロの結婚」序曲は大変勢いがある演奏で白熱した熱演が展
開されたのであった。

 聴き終えた正直な感想は40番と「フィガロの結婚」序曲は満足感が得られたが,39番と41番は物足
りなさが残った。

 録音状態は宣伝文句程ではなかった。特に優れている訳ではなく,ハッキリ言って「並のやや下」といっ
た感であった。

02/05/17

 
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