●シューベルト 交響曲 第9(8)番 「ザ・グレート」
ギュンター・ヴァント/指揮
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
録音:1995年 3月28−29日(ライブ)
RCA BVCC−8121
この曲は交響曲はその昔第7番と呼ばれていた。それが9番に変わり,いや8番だとか・・・・幸いこの
曲は「ザ・グレート」という愛称があるので区別が出来るが音楽を末端で享受する一般聴衆にとっては
甚だ迷惑である。極端な話,我々は曲と曲名が一致していればOKなのである。研究によって作曲され
た順番に違いがあれば,それを解説書に載っければ充分である。学者の研究に一般の聴衆を巻き込
む必要はないと思う。
さてヴェントの「ザ・グレート」である。私がヴァントという指揮者をはじめて知ったのがベルリン・フィル
との「ザ・グレート」であった。これは私にとって幸福な出会いであった。これ聴いたときヴァントはとてつ
もなくすごいヤツだと実感した。
この「グレート」はひたすら楷書書き演奏である。しかし四角四面の堅苦しさは皆無,スケールが小さく
なることも,音楽が弱々しくなることもない。鍛え抜かれた音楽は常に力強く輝きを放ち,しかも音楽が
進むにつれボルテージは徐々に増大する。その背後にはヴァントの緻密な計算と強靱な意志と揺るぎ
ない自信が漲っている。
正直,言って私は楷書書き四角四面の演奏は好まない。感情移入爆発型(と言っておく)が好みである。
しかしヴァントは私の好みのをぶちのめしたのである。そらはつまりスゴイ演奏の証明なのである。
02/04/24
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