●ショスタコーヴィチ 交響曲 第5番 
 エフゲニー・ムラヴィンスキー指揮
 レニングラード・フィルハーモニー管弦楽団 
 録音:1966年
 Russian DISC RD CD 11 023
 Cover Art:Ostroumova-Lebedeva-Birch Grove.1918


 昨年Altusから1973年5月26日(ライブ)録音が発売された。感想に書いたとおりRussian DISC盤を聴い
た私には著しく聴き劣りする内容だった。
 そこで今回はRussian DISC盤を登場させる。だたしRussian DISCは録音が粗悪だったり、録音データがお
かしい物があったらしい。しかもアッという間に市場から消えたレーベルである。しかし、このショスタコーヴィ
チはとんでもなくすばらしい。現在も入手困難なら非常にもったいない話である。

 音楽が鳴り出すと世界が一変する。鳴く子も黙るムラヴィンスキーの眼光鋭い統率力がCDという不完全な
メディアをとおして伝わってくる。この強烈な緊迫感、緊張感に軟弱者の私は思わず姿勢を正して拝聴したく
なる。正直に言って私はこのような聴く者に緊張感を強いる演奏は大キライである。私はもっと余裕やあそび
のある演奏を好む。ムラヴィンキスーの作り出すサウンドウは余裕やあそびを削ぎ落としあまりに窮屈である。
 しかし、ここまで徹底して,鍛え抜かれた強靱なサウンドを聴くと私のスキ,キライなど、ぶっとんでしまう。
 特に第1楽章の恐ろしいまでの緊迫感は先ほど述べたようにスキ、キライを超越している。第2楽章は徹底
した硬派の演奏でヴァイオリ・ソロも硬派である。第3楽章は淡々としていて繊細な緊張感がヒシヒシと伝わっ
てくる。フィナーレは荒れ狂うようなハイ・スピードで突進するが鍛え抜かれたサウンドで聴く者を圧倒する。
 ムラヴィンスキーの恐ろしさを実感できるとんでもない録音である。


01/06/30

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