●メンデルスゾーン 交響曲 第3番 「スコットランド」
 マドリード交響楽団
 録音1997年7月
 ARTS 47506-2(輸入盤)



 ぺーター・マークの十八番メンデルスゾーンのスコットランドである。録音は現在3種類が確認されている
ロンドン響盤('60)ベルン響盤('86)マドリード響盤('97)この内ベルン響盤は未聴となっている。しかも
CARLTON社/倒産のため入手不能だそうだトホホ・・・・
 またロンドン響盤はマークの出世作らしく巷でも評判がよく感想文はすでにペーター・マークのコレを聴け!
第2回で採り上げた。今回はあれから37年78歳のマーク翁の円熟の味わいが聴けるか!? 

 まず、感じるのがその透明度の高い響きである。メロディーの奏で方は彫が深く、ときはかなり大きな表情
づけを行なっています。それでいてネットリ感がまったくなく颯爽としたテンポ感でスッキリと進めます。
 一方で金管の強奏させティンパニーの強打も加わる絶大な効果を挙げている。なかなか激しい表現も聴け
ます。 まさに「コクがあるのにキレがある」演奏が展開される。

 ロンドン響盤と聴き比べると根底に流れるものは同じでもより激しく鋭くなっている。こうな風な円熟があるの
かとハタと気づきました。円熟と云うと表現が抑制され枯淡の味わいを想像するがマークの場合はより激しく
鋭くなる。それでいてカドが立たず自然になってしまう円熟です、ちょっと驚きますね。

 録音のことを語るのは装置の相性やいろいろなファクターが絡むので評価は難しいが、私が感じたことを素
直に書くと録音に「やや難アリ」である。AUDIOPHILE RECORDINGと銘打って録音のよさをアピールしていが、
例えば弦楽器の透明感はため息がでるほど美しい。そして音量が弱から中にかけてはすばらしいの一語に
尽きる。
 しかし音量が大きく強くなると厚みが不足しうるさく聞こえてしまう。特に最終楽章のコーダーは金管が高ら
かに鳴り響きティンパニーが強打が絡むが、それを支える弦楽器が鳴らず腰砕けのように聞こえてしまう。
曲を締め括るコーダーだけに惜しい・・・・それとも私のオーディオ装置との相性がよっぽど悪いのだろうか??


2002/09/16


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