●メンデルスゾーン 交響曲 第3番 「スコットランド」
 東京都交響楽団
 録音1993年4月21日ライブ
 Fontec FOCD9252

 ペーター・マーク4枚目のスコットランドである。おさらいすると、ロンドン響盤('60)ベルン響盤('86)マドリード響盤('97)で今回、新たに’93年録音の都響盤が加わった。

 それでさっそく聴いてみると、都響の奏でる弦楽合奏が極めて美しく、ひんやりとした感触で悲劇的な美しさを伴っている。メロディーの表情づけや金管やティンパニの強打はマドリード盤よりやや控えめでエッジを丸めた感じになって、より哀愁の色合いが強くなっている。
 印象に残るのが弱音の美しさと巧みなテンポ操作でライブならではの緊張感とオケの真摯な姿勢が伝わり丁寧な仕上がりを感じさせる。この感覚は他の3盤には感じられない大きな魅力となっている。

 私の勝手な想像であるがライブという条件が丁寧な仕上がりによる魅力を生み出したと思う。そして他の4種類の録音の中で一番感銘が深かった。

2006/01/14

TOWER RECORDSで購入

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