●モーツァルト 交響曲 第39番&第41番 「ジュピター」
 リハーサル風景
 日本フィルハーモニー交響楽団
 録音:1963年9月30日、10月1,2日
 DENON COCO-80451-52





 今回は第10回目を記念して(本当は成り行きですが)、趣向を変えてリハーサル風景を取り上げます。

 このリハーサル風景は1963年9月30日、10月1,2日の3日間行なわれた録音セッションのリハーサル風景で
収録時間は53分ほどである。リハーサルは英語で行なわれるのですが、その英語がベリーマッチ丁寧で、私が中
学校で学んだ英語の先生よりゆっくり丁寧にしゃべっています。
 また録音技師の若林駿介氏を「WAKA-SAN」、ティンパニー奏者の山口氏を「YAMA GUCHI−SAN」、フルート奏
者の荘一氏を「SO-ICHI-SAN」と日本風の呼び方をしているのが印象的でした。「Mr、YAMA GUCHI」じゃないんで
すね。因みに自分のことを「You know Mr,MAAG-SAN」と言っているのもおもしろい。

 指示の出し方は、あーだ、こ−だと講釈を述べるのでなく「not Crescendo, only Vibrato, Yes ?」とほとんど音楽用
語でメロディーを「ティ-ラララ、タタタ」とハミングして微妙な表現を伝えています。当たり前と言えばそれまでですが指揮者
の指示によって音楽が変るのを体感できるのがリハーサル盤の醍醐味ですね。

 マークの肉声はテノールでよく透る声質です。リハーサルが進むと白熱してきてメロディーを歌い、掛け声をかけて
オケをリードして行きます。それでもオケを止めたときは、ゆっくりとした口調の英語で指示を出しています。けっこう
冷静な人なんですね。

 リハーサルの雰囲気はたいへん和やかで、けして力ずくでオケをねじ伏せる雰囲気は微塵もありませでした。


 03/01/28

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