【読書感想文】許 光俊/編著『こんな「名盤」は、いらない!』/青弓社
念のためですが、これは私個人の感想であり、買う,買わない・・・・最終判断はご自分で・・・・
この本を購入したのは昨年暮れですが・・・・読んだ感想は1600円は高い買い物だったです。
この本は3人+1人共著ですが、各章(同じ書き手でも)の出来、不出来が大きく、人様に積極
的にお勧めする気になれないのである。
それから・・・気になる部分を指摘しておきます。(悪のり風に)
吉澤ヴィルヘルム氏が書かれたワルターの「温厚な人格がにじみ出た演奏」との評は宣伝イメー
ジにすぎない、との主張は共感するが・・・・
氏が書かれた「偽善の微笑みを忘れずに」の章で偽善神話と題された約3ページ・・・・一読す
るとワルターは「偽善者」のように思える・・・・
ここで納得した君!そうだ君だ!大切なことを忘れてはイケナイ!
●大切なこと
1:ワルターは人間である
2:彼は有名な指揮者である
3:彼が死んだのは30年以上、昔のこと
そう、極めてあたりまえのことだ!でも、とても大切なことだ!
ワルターは人間である、当然ワルターが好きな人もいれば、嫌な人もいる、好きな人のコメン
トは当然「好意的」、嫌いな人のコメントは当然「批判的」になる。
「彼は有名な指揮者である」「彼が死んだのは30年以上、昔のこと」であるから、ワルター
の語った言葉や第三者のコメントは有名人であるがゆえ尾ヒレが付いている可能性が大きい。
これを念頭に読み直してごらん!
吉澤氏はさまざまな人の言葉を引用しているが、その信憑性について、第三者の言葉の尾ヒレ
について調査・検討したのだろうか?
そう考えると、この文章が怪しく思える。
しかし、吉澤氏はウマイ!最後にこう書いている
「・・・想像のしすぎか。」
さらに・・・・
吉澤氏はワルター=偽善者説を読者に”すりこみ”させようとしているようだ。
例えば吉澤氏は新潮文庫から出版されたワルターの講演内容を読んで「いかにも自己宣伝のよ
うな内容」と批判的に書いている。
バカバカしい!!!
ワルターの職業は何か?答えは極めて簡単”指揮者”だ、別に講演活動を職業にしていたわけ
ではナイ。そんな人間が講演を依頼されれば当然カッコイイことをしゃべりたくなるわけ!
これを普段のワルターの姿と考えるのはオオマチガイ。カッコつけたワルターの姿と考えなければ
イケナイ。
それから吉澤氏はワルター=偽善者のイメージを読者に”すりこみ”させようとするあまり矛盾
したことを書いている。
ワルターはアメリカのオーケストラとはうまくいかなかったと書きながら・・・・そのアメリカの
オーケストラ!?ニューヨーク・フィルと録音したモーツァルトがすばらしいと絶賛している(@_@)/
理の評論とはこの程度のものなのか???
00/01/25
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