●2002年7月12日(金)
 日本フィルハーモニー交響楽団 第542回定期演奏会
 曲目:マーラー交響曲第2番 ハ短調「復活」
 指揮:小林研一郎
 ソプラノ:菅英三子
 アルト:竹本節子
 合唱:東京音楽大学
 会場:サントリーホール
 
 コンサートに行って来た。演目はマーラーの交響曲 第2番 「復活」 指揮は小林研一郎(以下、コバ
ケン)。普段はCDのお世話に、なりっぱなしである私だが,今回は前から8列目という良い席が確保でき
た!きっとCDでは味わえない生コンの魅力をたっぷり味わえるだろう・・・・しかも演目はマーラーの復活!
期待は高まる!その高まりは開場(開演ではない)30分前に会場に到着し付近を散策したり,そそくさと
並んだり,etc これもコンサートの営みの一部である!と自己満足に浸っていた・・・・さてホールに入り
深々と椅子に身を沈ませ周囲をキョロキョロと見回す(これもコンサートの営みである!)。

 生コンならではの味わいといえば,例えば拍手の中,指揮者が舞台に登場する。やがて指揮台に登り
指揮棒を構える・・・・2千人弱の聴衆が固唾を呑んで見守る緊張感!やがてオケから第一音が発せられ
る瞬間!たまりませんネェ〜〜!

 しかし、今回のコンサートは少し違っていた!?

 オケの第一音はコバケンの鼻息だった!そして第2音は唸り声!?それか第3音として弦楽の降下
音が鳴り響いたのであった!私自身コバケンの唸り声は予想していたが先制攻撃には驚いた!
 私の近くのお姉さんは、この展開に思わず吹き出した!しかし格式高いサントリー・ホール,演者はすぐ
そばのロケーション必死に笑いをこらえる。私は見た!大和撫子の奥ゆかしさを!!

 激しく荒々しい第1楽章が終了した。作者のマーラーはここで5分以上の休憩を指示している。しかし現
在は休憩ナシで続ける場合もある。今回はどうするのか?

 息を呑んで様子を伺うとコバケンは指揮台を降りてオケの面々と話をしています。隣の友人と「どうやら
休憩を入れるようだ。くつろぎ・タイムだね」と話した。するとホールの人々は思わず吹き出した!どうや
「くつろぎ・タイム」を気に入ったらしい。しかも音響効果の優れたコンサート専用ホール「くつろぎ・タ
イム」発言はホール全体に鳴り響いた!
 しかしココは格式高いサントリー・ホール!人々は必死に笑いをこらえていた。私は見た!大和撫子
&大和男児の奥ゆかしさを!!


 第2楽章は緩やかな楽章である。第1楽章であれほど荒々しく怒涛の調べを轟かせたオケが第2楽章
では穏やかなやさしい音色に変化にしている。さらに第3楽章になるとまたオケの音色が変わる。「お〜
ぉ、まさしくオケは人間が奏でる組織なんだ!」自分の感性の豊かさに酔いしれる私であった。

 第4楽章になるとアルトの独唱が入ります。舞台のお姉さんがこちらを見て朗々と歌うお姿,目と目が
合っちゃってもうドキドキであった。

 いよいよ音楽は第5楽章に突入します。合唱団がいっせいに立ち上がる迫力にはギョとしますね。また、
この曲はバンダ(特殊効果を狙ってステージ以外のところで楽器を演奏すること)を多用しているようで、
オケマンがこっそり舞台から消えたり現れたり,さり気なく動き回る姿は微笑ましかった。最後!クライマッ
クスでバンダ別働隊が舞台に登場したときは「うぉぉ,こんなに居たのか!(特にホルン軍団)」もうビック
リであった。そう!マーラーの復活は視覚効果もビシバシ狙った曲だったのだ!

 視覚効果といえばコバケンの指揮ぶりも曲に負けていない。音楽に没頭して「ん〜〜〜」と発せられる
唸り声!客席を指さしたり,天上を指さしてオケを煽るボディーアクション!飛び散る汗!もう圧倒される
ばかりだった(たいへん大きなお世話&不謹慎な発言ではあるが,あれだけ激しい指揮ぶりでは朝比奈
先生のように長生きできませんね,ホント大きなお世話ですが・・・・)。

 ついでながら,ソプラノのお姉さんにコバケンの汗が顔に直撃!こっそり拭う姿は微笑ましかった。

 そんな訳で今宵のコンサートはCD再生では味わえない生コンの醍醐味をたっぷりと味わうことができ
た。そして最後の最後,仰天する出来事があった!?「え〜、本日はみなさま,お忙しいところ・・・・」あの
激しい指揮ぶりから想像できないマヨッとしたコバケン・トークに「ギョ!?」とした!驚きと発見が多いコ
ンサートであった・・・



 ・・・・とここまで読んでいただいありが・・・・告白します私は嘘つきでした!

 
嘘その1:開場(開演ではない)30分前に会場に到着 → 事実は開演5分前到着でした

 嘘その2:舞台のお姉さん〜中略〜目と目が合っちゃってもうドキドキ → 真っ赤な嘘である

 嘘その3:ソプラノのお姉さんにコバケンの汗が顔に直撃! → 私の作り話である

 注)その他かなり大げさな表現が多々ありますパフォーマンスとして楽しんでください。


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