Rhapsody in Kunya

 


 2003年12月25日(木)

 今年を振り返る企画〜がっかりしたCD編〜その2

●マーラー:交響曲 「大地の歌」
 ブルーノ・ワルター/指揮
 ユリウス・パツァーク/テノール
 カスリン・フェリアー/アルト
 ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
 1952年 5月17日ライブ録音
 TAHRA Tah 482(輸入盤)

 DEECA盤の同曲の演奏にライブならではの緊張感・勢い・ノリが加わるのでは?そんな期待があったが・・・・残念
ながら期待と違っていた。1〜4楽章はDEECA盤より勢い・ノリともに感じられず、5、6楽章でようやくライブらしい緊
張感・勢い・ノリが発揮されていた。録音セッションのDEECA盤より音質が悪いのは当然ですが、残念ながら全体とし
て、それを補う魅力は伝わって来なかった。 


 2003年12月24日(水)

 今年を振り返る企画〜がっかりしたCD編〜その1

●ブルックナー 交響曲 第6番
  サー・コリン・デイヴィス/指揮
  ロンドン交響楽団 
  録音:2002年 1月19〜20日(ライブ)
  LSO LIVE/LSO 0022(輸入盤)

 贔屓のサー・コリン・デイヴィスである。しかし私は発売されるCDを全てすばらしいと絶賛するつもりはない。サー・
コリンの演奏は中庸の美学を貫く(もちろん例外もある)。そしてじわじわと言葉に表現できないすばらしさが伝わっ
て来る。そのすばらしさを感じてしまうと....メロメロになる!

 このブルックナーの6番は一聴すると、世界最高レベルに達したサー・コリン・デイヴィス&ロンドン交響楽団の充実
した響きが伝わってくる!しかし、じわじわ伝わって来るはずのすばらしさが伝わって来ないのである。

 遺憾である....


 2003年12月22日(月)

 今年を振り返る企画〜よかったCD編〜その12

●ベートーヴェン 交響曲 第6番「田園」
  カルロス・クライバー/指揮
  バイエルン国立管弦楽団
  録音:1983年11月7日(L)(輸入盤) 
  独ORFEO C 600 031B

 カルロス・クライバーらしいキビキビをした演奏で「田園」交響曲の情緒的な雰囲気は消し去られているが、クライ
バーの生みだす生命力溢れる推進力と灼熱の起伏はすばらしいと思った。


 2003年12月22日(月)

 今年を振り返る企画〜よかったCD編〜その11

●ベートーヴェン 交響曲 第9番 「合唱」
 クラウス・テンシュテット/指揮
 マリアンネ・へガンダー(S)/アルフレーダ・ホジソン(A)
 ロバート・ティアー(T)/グウィン・ハウエル(Bs)
 ロンドン・フィルハーモニー管弦団&同合唱団
 録音:1985年9月13日
 BBC LEGENDS BBCL 4131-2 (輸入盤)

 これは”どえらい演奏”であった。”熱い灼熱の演奏”であった。

 テンシュテットの表現意慾は強烈でロンドン・フィルが空回りしていると感じる部分もあった。”指揮者が突っ走り
オケが前のめりになりがらも喰らいつく演奏”そんな印象をもった。


 2003年12月21日(日)

 今年を振り返る企画〜よかったCD編〜その10

●ブルックナー 交響曲 第3番
 ワーグナー ニュルンベルクのマイスタージンガー前奏曲
 ハンス・クナッパーツブッシュ/指揮
 北ドイツ放送交響楽団
 録音:1962年 1月15日
 LIVING STAGE LS1019(輸入盤)

 LIVING STAGEは如何にも廉価盤といった簡素な作りのジャケットが特徴のレーベルである。私の気になるのは
写りの悪い演奏者写真を中途半端に入れていることでどうせなら文字だけレタリングで勝負したらよかろうと思う。

 演奏に耳を傾けるとクナ様の晩年の味が曲者ぶり(褒め言葉として)が発揮されて、一見(聴)大雑把なようで玄
妙な味わいがある。ニュルンベルクのマイスタージンガー前奏曲も同様である。

 録音状態は如何にも廉価盤といった感じで大雑把で雑な感じである。しかし見方を変えるとあれこれ手を加えず
マスター・テープに記録された情報をダイレクトにCDに落とし込んだ風情である。ズパリ私はプラスの評価である。


 2003年12月20日(土)

 今年を振り返る企画〜よかったCD編〜その9

●ショスタコーヴィッチ 交響曲 第7番 「レニングラード」
 
パーヴォ・ベルグルンド/指揮
 ボースマス交響楽団
 録音:1974年1月
 EMI 7243 5 73839 2 9(輸入盤)

 ア●パンマン・フェイスのベルグルンドが残したハードな録音である。シベリウスの演奏のような抽象的でクールな
演奏と違い「わが祖国」同様にパワフル&スリリング・熱演怒涛・満点の迫力の演奏でした。


 2003年12月16日(火)

 今年を振り返る企画〜よかったCD編〜その8

●スメタナ 交響詩 「わが祖国」
 
パーヴォ・ベルグルンド/指揮
 シュターツカペレ・ドレスデン
 録音:1978年 3月
 EMI 7243 5 73521 2 3(輸入盤)

 ベルグルンドのシベリウスの演奏から抽象的でクールな演奏を想像していたが・・・・飛び出した音楽は迫力満点、
怒涛の熱演、パワフルでスリリングな演奏であった。
 驀進するテンポ、金管の強奏やティンパニーの強打による強烈なアクセント、リズムの斬れ、溢れんばかりのエネ
ルギー!しかも強固なアンサンブルを構築している。

 失礼ながらベルグルンドのア●パンマン顔からは想像できないハードな演奏であった。<豪腕ベルグルンド>
こんな言葉を連想してしまった。


 2003年12月14日(日)

 今年を振り返る企画〜よかったCD編〜その7

●マーラー作曲:交響曲 第2番 「復活」
 レナード・バーンスタイン/指揮
 ニューヨーク・フィルハーモニック/他
 録音:1987年
 Deutsche Grammophon 423 395-2

 感情移入の激しい演奏である。テンポの遅くなる部分は自然薯のような粘りとなり,激しい部分は極上スーパー
キムチのような激情となり,交錯する部分は無国籍料理の踊り食いとなる。

 ここまで大胆に振る舞いきり、自己の思いのたけを赤裸々にプロ集団オーケストラを使って表現した演奏は指揮
者バーンスタインの手腕?人間性?カリスマ性の業であろう。

 よって人によって好き嫌いの違いが際立つと思うが・・・・私は?「語る必要はないであろう」


 2003年12月 8日(水)

 今年を振り返る企画〜よかったCD編〜その6

 ●ベートーヴェン 交響曲 第1&2番
  アルトゥーロ・トスカニーニ/指揮
  NBC交響楽団
  録音:#1 1951年12月21日
  録音:#2 1949年11月 4日&1951年8月5日
  RCA BVCC-9913

 トスカニーニとベートーヴェンの1番&2番交響曲の相性は良いだろう・・・・そんな勘が働いて購入したCDである。
勘はジャスト・ミートであった。
 疾風怒濤の推進力,炸裂するエネルギー,一刀両断の表現,聴く者を圧倒するパワーがある。あまりのパワーに嫌
悪する人もいるかもしれない?そんなよけいなお世話がよぎるほどである。

 不思議なのが録音である。トスカニーニは「音楽には残響は不要だ」と言ったらしく(本当ですか?)残響のない場所
で録音したそうだが、これはあまりに極端ではないか???


 2003年12月10日(水)

 ついに、アクセス・カウンターが20000の大台を突破した。これもコツコツ訪問していただいたみなさんのお陰です。

あ り が と う ご ざ い ま す 。


 2003年12月 9日(火)

 今年を振り返る企画〜よかったCD編〜その5

 ●ベートーヴェン 交響曲 第4番,5番,6番「田園」
  ラファエル・クーベリック/指揮
  #4 イスラエル・フィルハーモニー管弦楽団
  #5 ボストン交響楽団
  #6 パリ管弦楽団
  Deutsche Grammophon 474 463-2(輸入盤)
  録音:#4 1975年 9月
     :#5 1973年11月
     :#6 1973年 1月

 1970年代ドイツ・グラモフォンはクーベリック,カラヤン,ベーム,バーンスタインと次々と看板指揮者による
ベートーヴェン交響曲全集を製作した。その中にあってクーベリックは全9曲違うオケで録音する荒技を敢行した
ことで有名で・・・・なぜか?以後誰も真似しない企画である。

 このアルバムは4番〜6番を収録したもので耳を傾けるとオケの違いよりも統一されたサウンド・ポリシーを強く
感じる。

 どれも輝かしく,艶があり,透明感もある非常に美しいサウンドである。


 ハッキリ言って綺麗すぎて虚構の世界と感じてしまう。そうです録音再生とは所詮虚構の世界ならば虚構の美し
さを徹底的に追及しましょう!


 2003年12月 7日(日)

 今年を振り返る企画〜よかったCD編〜その4

 ●ストラヴィンスキー バレエ音楽「火の鳥」 1910年版
  サー・コリン・デイヴィス/指揮
  ロイヤル・コンセルトへボウ管弦楽団
  PHILIP PHCP―9613
  録音:1978年11月6〜7日

 ストラヴィンスキーの艶かしいメロディー、艶かしい躍動、艶かしい色彩をサー・コリンは丹念に描いてゆく。

 それがええんじゃ!


 2003年12月 6日(土)

 ●ベートーヴェン:交響曲 第9番「合唱付き」
  ヴィルヘルム・フルトヴェングラー/指揮
  グレ・ブロウエンスティーン(S)
  イーラ・マラニウク(Ms)
  ヴォルフガンク・ヴィントガッセン(T)
  ルートヴィヒ・ウェーバー(Bs)
  バイロイト祝祭管弦楽団&合唱団
  録音:1954年8月8日
  Music & Arts  CD-1127(輸入盤)

 フルトヴェングラーの第九,1954年のバイロイトものである。ひょっとしたら「どえりゃ〜すげぇ〜演奏」そんな期待
をもってCDを購入した。
 1回聞いただけの判断だが<残念!録音状態が悪い....>である。

 録音状態は,ゆれたり,曇ったり,ヒスノイズが増えたり,で安定せず古い録音を聴きなれてない方は苦痛に感じる
であろう。

 演奏はルツェルンでの演奏より渋く、終始控え目の表現に感じた。フルトヴェングラーの熱烈なファン,中級以上?の
マニア向けのCDに感じた。


 2003年12月 5日(金)

 今年を振り返る企画〜よかったCD編〜その3

 ●ベート−ヴェン 交響曲 第4番
  サー・コリン・デイヴィス/指揮
  BBC交響楽団
  録音:1975年2月
  PHILIP UCCP-3116

 今年PHILIPクラシック文庫シリーズとして’(他もあるが)サー・コリン・デイヴィス指揮のCDが多く復刻された。経済
的な理由ですべてと入手することは出来なかったが一番印象に残ったのがベート−ヴェンの交響曲第4番であった。

 重量感がたまらない。ティンパニの強打がたまらない。熱い演奏がたまらない。


 2003年12月 4日(木)

 今年を振り返る企画〜よかったCD編〜その2

 ●ホルスト 組曲 「惑星」
  サー・コリン・デイヴィス/指揮
  ロンドン交響楽団 
  録音:2002年 5月27〜30日(ライブ)
  LSO LIVE/LSO 0029(輸入盤)

 サー・コリン・デイヴィス指揮のホルスト「惑星」と言えばベルリン・フィルを指揮したPHILIPS盤が高い評価を受け
ているようである。このロンドン交響楽団の新盤と聴き比べると一部を除いて大きな違いは感じられない。
 一部の違いはオケの違いである。なんといってベルリン・フィルの音はゴージャスである!ロンドン交響楽団の音
はジミーである。

 しかしながら・・・・私の耳にはベルリン・フィルのゴージャスな音がややうるさく聴こえ、ロンドン交響楽団のジミー
な音が耳に馴染むのである。

 だからと言って・・・・ロンドン交響楽団盤の方がすぐれている!

 と言うつもりはない!オーディオ装置の相性や個々の好みもある。ハッキリ言って私の好みである。


 2003年12月 2日(火)

 今年を振り返る企画〜よかったCD編〜その1

 ●ドヴォルザーク 交響曲 第7番
  サー・コリン・デイヴィス/指揮
  ロンドン交響楽団   
  録音:2001年 3月21日(ライブ)
  LSO LIVE/LSO 0014(輸入盤)

 何度か同じことを書いているが繰り返すサー・コリン・デイヴィス&ロンドン交響楽団は現在最高レベルに達してる。
この録音が如実に現れている。

 しかし!そのすばらしさを言葉に表現するのは非常に難しい・・・・取り立てて特徴的部分は少ない。そのため凡庸な
演奏に聴こえるかもしれない。しかし、弦の音、木管の音、金管の音、ティンパニの音、すべてが吟味され有機的に繋
がって行く。普通のことを普通にヤッて、結果が「凄い!」のである。

 多くの大指揮者が晩年になり獲得する平凡の非凡、自然体の偉業、単純なようでいて複雑な味わいが色濃く出てい
る。やっぱり来年の来日公演を聴き逃すのは一生の後悔である。 


 2003年12月 1日(月)

 2003年もカウント・ダウンですね。師走です。

 それでは12月号のスタートです。


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