Rhapsody in Kunya
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2005年12月29日(木)
今年を振り返る企画〜ガッカリしたCD編〜その2
●ベートーヴェン:交響曲第9番「合唱」
エリーザベト・シュヴァルツコップ(ソプラノ)
エリーザベト・ヘンゲン(アルト)
ハンス・ホップ(テノール)
オットー・エーデルマン(バス)
バイロイト祝祭管弦楽団&合唱団
ウィルヘルム・フルトヴェングラー/指揮
1951年7月29日 バイロイト祝祭劇場
OTAKEN TKC-301
高音質復刻!として登場した板起こし盤である。
手元にある「東芝EMI TOCE-6510盤」と比較すると、ベールを剥がしたような輪郭のクッキリとした音があらわれた。クリアーな音のひとつひとつにパワーが宿り、フォルティシモでの歪みも少なくなっている。音質が向上しているのは明々白々であった。
しかし・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
音質向上イコール感動の向上につながらない、明らかに音質の劣る「東芝EMI TOCE-6510盤」の方が、微妙なニュアンスを、演奏のすばらしさを、より多く伝えているのである。
2005年12月28日(水)
今年を振り返る企画〜ガッカリしたCD編〜その1
●シューベルト:交響曲 第8番「未完成」&第9番「ザ・グレート」
NHK交響楽団
ペーター・マーク/指揮
録音:1986年4月16日
King/KICC 3065
マーク/指揮のシューベルトということで期待に胸膨らませて購入したCDである。マークらしい個性的な演奏が刻印されていたが徹底不足に感じられた。フィルハーモニア・フンガリカ との録音の方が聴きごたえがあった。
2005年12月25日(日)
今年を振り返る企画〜よかった図書館で借りたCD編〜その7
●スメタナ:交響詩「我が祖国」
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
ニコラウス・アーノンクール/指揮
録音:2001年11月3〜7日
BMG/RCA BVCC-34090-91
私が驚いたのは、この演奏から「静けさ」を感じ取ったからである。別の言い方をすれば「枯淡の境地」。刺激的かつ露骨な言い方をすれば「死臭」がするのである。
私は直感的にアーノンクールは5年以内に死ぬと感じ取ったのである。
(@_@)来年じゃないか!?
2005年12月24日(土)
今年を振り返る企画〜よかった図書館で借りたCD編〜その6
●マーラー:交響曲 第2番 「復活」
ヘルベルト・ブロムシュテット/指揮
サンフランシスコ交響楽団
ルート・ツィーザク(S)
シャルロッテ・ヘレカント(MS)
サンフランシスコ交響楽団合唱団
録音:1992年9月21-22
DEEAC
激情と陶酔が交錯する、この曲を折り目正しく仕上げた演奏であるが、要所要所の決め処はズバッと決まっている。ヴァイオリン・ソロの色気や打楽器のド迫力がその典型である。
2005年12月23日(金)
今年を振り返る企画〜よかった図書館で借りたCD編〜その5
●ドヴォルザーク:交響曲 第9番 「新世界より」
レナード・バーンスタイン/指揮
イスラエル・フィルハーモニー管弦楽団
DG
特に第2楽章が印象的にあった。遅いテンポでこってりとど演歌調で歌い抜く!この曲のもっている情調的哀愁をたっぷりと味わせてくれる。さらに、この曲の寂寥感ただよう中間部を真っ暗に描いた演奏に仕上がっているのである。
「新世界より」という曲にくら〜い情念が隠されたことを(私に)知らしめた演奏であった。
2005年12月22日(木)
今年を振り返る企画〜よかった図書館で借りたCD編〜その4
●ムソルグスキー:組曲「展覧会の絵」
ストラヴィンスキー:「ぺトルーシュカ」からの3楽章
アナトール・ウゴルスキ(ピアノ)
DG
何やら寂しげな演奏である。
しかも、ウゴルスキの演奏はフォルテ(強音)のパッセージをピアノ(弱音)で弾く(冒頭の<プロムナード>と終曲<キエ フの大門>が目立ちます)奇を衒う荒技を披露します。であるが、ウゴルスキが弾くと、こちらが正解!正しいと思わせる説得力と魅力に満ちているのである。
2005年12月21日(水)
今年を振り返る企画〜よかった図書館で借りたCD編〜その3
●ブルックナー:交響曲 第8番
朝比奈 隆/指揮
NHK交響楽団
録音:1997年3月6日
Fontec
これもロマンティク同様に厚い演奏である。
2005年12月20日(火)
今年を振り返る企画〜よかった図書館で借りたCD編〜その2
●ブルックナー:交響曲 第4番「ロマンティク」
朝比奈 隆/指揮
NHK交響楽団
録音:2000年11月3-4日
Fontec
ヴァントのロマンティクに続き、衝撃を受けたのが朝比奈のロマンティクであった。
朝比奈のロマンティクは非常に厚い演奏である。念のために言うが【熱い】のでなく【厚い】のである。その響きは、ヴァントのように凝縮されるのではなく、大きく解放され拡がってゆく。そして、ずっしりとした重みを感じさせるのである。
2005年12月19日(月)
今年を振り返る企画〜よかった図書館で借りたCD編〜その1
●ブルックナー:交響曲 第4番「ロマンティク」
ギュンター・ヴァント/指揮
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
録音:1998年1月30,31日2月1日
RCA/BMG
ブルックナーの交響曲 第4番は大変有名な曲である。しかし、私の正直な感想を述べると、部分的な美しさは感じるが、それが持続しない、まとまりが悪く散漫な印象であった。
ところが、このCDに収録された演奏はに引き込まれてしまった!ベルリン・フィルが怒涛の迫力で迫る!怒涛の迫力といっても情熱の発露ではなく、研ぎ澄まされた純度の高い迫力なのである。
2005年12月18日(日)
今年を振り返る企画〜よかったCD編〜その11
●モーツァルト:交響曲 第38番*
メンデルスゾーン:序曲「フィンガルの洞窟」
交響曲 第3番 「スコットランド」
ペーター・マーク/指揮
東京都交響楽団
録音:1984年6月9日*
録音:1993年4月21日
Fontec FOCD9252
都響創立40周年記念シリーズとして、都響のライブCDが発売された。東京都の財政改革の一翼を担う企画である。
私はこの企画に少なからず不満を持っていた。収録曲がつまらない。どの曲も複数の録音があり、私はそれらを所有している。失礼ながら都響がこれを上回る演奏を披露するとは思えなかったからである。
ハッキリ言って演奏はロンドン交響楽団を上回るものではなかった。しかし、結果は意外な展開で吉と出た!
マークの解釈がまだオケに染み込んでない印象を受けたが、オケがマークの指揮に応えようとする意志が感じられ、マークもより丁寧に指揮をしている感じで、演奏でも丁寧で真摯な印象を受けた。
2005年12月17日(土)
今年を振り返る企画〜よかったCD編〜その10
●ブラームス 交響曲 第1番
アルト・ラプソディ*
ペーター・マーク/指揮 トリノRAI交響楽団
ミラノRAI交響楽団&男声合唱団*
ルチア・ヴァレンティー=テッラーニ(A)
録音:1976年4月9日
録音:1979年4月27日*
ARTS ARCHIVE
マークらしからぬ?堂々とした佇まいがたまらない。アルト・ラプソディも美しいルチア・ヴァレンティー=テッラーニの美声が心に残る。
2005年12月14日(水)
今年を振り返る企画〜よかったCD編〜その9
●ヨハン・シュトラウス:ワルツとポルカ集 ペーター・マーク/指揮 ローマRAI交響楽団 トリノRAI交響楽団 * 録音:1993年1月22日&3月26日 1975年10月24日 * ARTS ARCHIVES 43036-2 |
■収録曲目 ・メロディーエン・カドリーユ op.112 ・山賊のギャロップ op.378 ・ポルカ『浮気心』 op.319 ・皇帝円舞曲 op.437 ・ワルツ『南国のばら』 op.388 ・アンネン・ポルカ op.117 * ・トリッチ・トラッチ・ポルカ op.214 * ・喜歌劇『こうもり』序曲 * ・ポルカ『雷鳴と電光』op.324 * ・チェロと管弦楽のためのロマンス第1番 op.243 ・ピツィカート・ポルカ ・ポルカ『観光列車』 op.281 ・ワルツ『美しく青きドナウ』 op.314 ・常動曲 op.257 |
マークの演奏は演奏上のツボを押さえているという印象で,キビキビとしたテンポの中に、テンポをゆらしたり、鋭角的な強弱をつけたり、打楽器や金管を強奏させたり、情緒的に旋律を歌い上げ大見得を切ったり、などなど、小細工が多く聴かれるが、それがツボにはまりマークの個性が楽しめる軽妙洒脱で粋な演奏を聴かせてくれる。
2005年12月12日(月)
今年を振り返る企画〜よかったCD編〜その8
●モーツァルト セレナーデ第9番 「ポスト・ホルン」
ジョージ・セル/指揮
クリーブランド管弦楽団
録音:1969年2月10,18,24日
SONY CLASSICAL SBK48266(輸入盤)
ジョージ・セルは有名な指揮者である。残念ながらルックスの点で損をしている。
私の勝手な印象であるが、気難しいオヤジ顔である。ところが!ここで奏でられる音楽は顔から想像できない躍動的な音楽が奏でられるのである。
伝え聞くところによるとセルのオーケストラを厳しく鍛えたらしいが、第1楽章のヴァイオリン(だと思う)を聴くと、厳しさから解放された雰囲気を感じる。
2005年12月11日(日)
今年を振り返る企画〜よかったCD編〜その7
●スメタナ 連作交響詩 わが祖国
コリン・デイヴィス/指揮
ロンドン交響楽団
録音:2005年5月10〜15日
LSO Live LSO0061(輸入盤)
今年、一番驚いた演奏だった。デイヴィス?どうしちゃったの?
と思うほど激しい演奏が繰り広げられていた。激しいといっても暴走しているわけではない。アンサンブルは高度でテンポが変化してもビッシと決まっている。
チェコの望郷を感じさせる熱さとは違うが、熱い熱い演奏に驚いたのであった。
2005年12月 9日(金)
今年を振り返る企画〜よかったCD編〜その6
●ベートーヴェン 交響曲 第7番
モーツァルト 交響曲 第41番 「ジュピター」
クラウス・テンシュテット指揮
北ドイツ放送交響楽団
録音:1980年6月9日(L)
EMI 7243
4 76740 2 0 NDR10122(輸入盤)
非常に熱い演奏である。予想に反してモーツァルトの方が・・・・・CDの収録順がベト7 → ジュピターになっているのもうなずける。
しかし、単なる燃え燃えの演奏ではなく、燃え立つエネルギーが輝かしい迫力に昇華されている。
2005年12月 8日(木)
今年を振り返る企画〜よかったCD編〜その5
●チャイコフスキー 交響曲 第5番
エフゲニ・スヴェトラーノフ/指揮
ソビエト国立交響楽団
録音:1990年6月3日
Canyon Classics PCCL-00554
チャイコフスキーの4番がよかったの5番も買ってみた。ここでも吹っ切れた爽快感を感じた。
テンポを揺らしたり、メロディーを歌っても、ねっとり感ではなく、爽快感を創り出すのがスヴェトラーノフの特色と思えた。
2005年12月 7日(水)
今年を振り返る企画〜よかったCD編〜その4
●チャイコフスキー 交響曲 第4番
エフゲニ・スヴェトラーノフ/指揮
ソビエト国立交響楽団
録音:1990年5月24日
Canyon Classics PCCL-00554
チャイコフスキーの交響曲を聴く機会は少ない。極めて個人的な話であるが、私はチャイコフスキーの交響曲があまり好きではない。別に嫌いなワケではない。そんな私でもスヴェトラーノフの演奏は楽しめた。
重量感のある重い響きであるが、吹っ切れた爽快感がすばらしい。
2005年12月 5日(月)
今年を振り返る企画〜よかったCD編〜その3
●モーツァルト 交響曲 第29番
カール・ベーム/指揮
ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
録音:1980年6月27〜28日
DG 3111-17
ベーム最晩年の録音のひとつである。
第1楽章はゆっくりしたテンポで、淡々と進められる。ベームの厳格な指揮とウィーン・フィルの情緒的な雰囲気がうまい具居合いに溶け合い不思議な魅力を生み出している。
2005年12月 4日(日)
今年を振り返る企画〜よかったCD編〜その2
●モーツァルト セレナード 第13番 ”アイネ・クライネ・ナハトムジーク”
コリン・デイヴィス指揮
フィルハーモニア管弦楽団
録音:1959年
EMI ENCORE CDE 7 67777 2(輸入盤)
購入時にたいして期待していなかった。贔屓のデイヴィスの演奏であるが32歳若造時代の録音である。安いから買った。そんな単純な動機で購入したCDだった。
ところが艶やかな色気を多様なニュアンスを放出する演奏が記録されていたのである。
2005年12月 1日(木)
今年を振り返る企画〜よかったCD編〜その1
●モーツァルト:ピアノ協奏曲 第27番
アリシア・デ・ラローチャ/ピアノ
サー・コリン・デイヴィス/指揮
イギリス室内管弦楽団
BMG/RCA BVCC 763
モーツァルト晩年の作品、最後のピアノ協奏曲となった作品である。偶然なのか?必然なのか?不思議な静けさが漂う音楽である。死の陰とでもいおうか?これまた不思議と、そんな死の陰に思い入れず淡々と進めるほど、強く死の陰が浮かび上がる。明るいほど切ない音楽。
ベテラン、ピアニストと指揮者にしか描けない世界がある・・・・・な〜〜って、思いに耽るのであった。