●ベートーヴェン 交響曲 第3番 英雄
 ハンス・クナッパーツブッシュ指揮
 ミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団 
 録音:1953年12月17日(ライブ)
 TAHRA(輸入盤)


  さて、3回目はベートーヴェンの英雄です。シューベルト:軍隊行進曲,ブラームス:大学祝典序曲でク
ナッパーツブッシュに興味を抱いた私が次に借りたのがベートーヴェンの英雄です。このときはハッキリとハ
ンス・クナッパーツブッシュ指揮と意識して借りた記憶があります。
 さて、このLPはゴールドのゴージャスなジャケットだったと記憶しております。ただし、キラキラ光り輝くの
で、解説が読みにくかった記憶があります。

 第1楽章: ジュワ〜ン,,,,ジュワ〜ン 冒頭はスゴイ!はじめて聴いたときはレコード・プレーヤーが壊
れた!?と思うほど強烈でした。
 しかし、ここで驚くのはまだ早い!第1主題が悠々とした深い呼吸を伴って奏でられる。この悠々たる雰囲
気は、何か老練な武芸の達人がその威圧感で相手を圧倒するかのような存在感である。
 そして音楽は徐々に彫りの深い進行を聴かせる。主題展開部での盛り上がりと昂揚感はすばらしく雄渾な
響,放出されるエネルギーに圧倒される。

 第2楽章: この演奏の白眉と断言しょう。淡々とした雰囲気で始まるが次第に彫りの深い悲愴美を湛えた
演奏になる。私はこのような表現はキライなのですが、英雄の死,彼に対する想い,拳をにぎり自らを奮い立
たせる,そんな情景が浮かんできます。このような劇的な表現でありながら押しつけがましさをまったく感じさ
せない。すばらしい葬送行進曲である。

 第3楽章: 演奏が進むにつれ充実して行く。ちょっとしたアクセントが意味深く鳴り響く、オケと指揮者の一
体感を感じさせる。トリオでは大きな間をとってタメにタメをつくってからホルンが朗々と吹き鳴らす。この豪快
な雰囲気がたまらない。

 第4楽章: すばらしい推進力を聴かせる。間の取り方やテンポの操作,悠々とした響きが聴き手を引き
つける。

 と・・・・まぁ,美辞麗句を並べたが・・・・私はこの録音を手放しで賛美できない。(もしかしたら録音状態のせ
いかもしれないが)極めて贅沢な話ではある!とお断りして。

 この録音を聴くとクナ様ならもっとすばらしい演奏ができるに違いない、きっとそうだ!と思ってしまう。第1
楽章,第2楽章は大変すばらしいと思う。しかし、第3,4楽章はクナ様なら・・・・もっと,さらにと思ってしまう!?
根拠はないのですが・・・・

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