●ベートーヴェン 交響曲 第5番
 ハンス・クナッパーツブッシュ指揮
 ヘッセン放送交響楽団
 録音:1962年 3月 1日(ライブ)
 TAHRA TAH213(輸)
 Design : Byblos


 クラシック音楽の代名詞とも言える曲である。この曲は日本限定で俗称「運命」と呼ばれている。まことに不幸な
ことである。この曲の肝はハッヒー・エンド!第4楽章での勝利の凱旋行進曲にある。「運命」なんて俗称は肝をそ
して核心を外している。♪ジャジャジャジャ〜ン「運命はこのように戸を叩く」あれはベートーヴェンのジョークだった
のでは???

 クナ様らしく(笑)テンポは遅い。冒頭の『
ジャジャジャジャーン』はサクッとした響きで曲が進んでも重苦しくなるこ
とはなく壮大重厚な演奏を期待していると意外な感じがする。
 オケの響きは素朴で丁寧に演奏してる感じで、それが演奏と不思議とマッチしている。第2楽章でのメロディーの
繊細な歌い込みとか分厚い響きがそれで、第3楽章でホルンは素朴と表現するよりも土俗的な響きで力強い推進
力によりパワーをプラスしている。
 圧巻は第4楽章でゆったりと遅いテンポで開放的に大河が悠々と流れるようなスケールの大きい音楽を展開して
ゆく。クナ様特有の
深い呼吸と遅いテンポでたっぷりと鳴らす回顧的・感慨的な演奏が味わえる貴重な録音である。

 03/05/19


TOWER RECORDSで購入


 前に戻る  ホームに戻る